映画「明日の記憶」感想

文学部女子大生の日常・感想
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2018.2.26 映画「明日の記憶」感想

MOVIE INFO 「明日の記憶」

大学の授業の課題で、「明日の記憶」という映画を観ました。2006年公開の邦画で、渡辺謙さんが主演を務めています。
調べると、荻原浩さんの小説が原作で渡辺謙さんがその小説を読み映画化を熱望した、と出ていたので公開当時も話題になったのかもしれません。

映画の内容ですが、年齢的にまだまだこれからというくらいの広告代理店の営業、佐伯が若年性アルツハイマーに侵されるという話です。
アルツハイマーは、単純に記憶を失くしてしまうだけの病気ではなく、脳が委縮してしまうため様々なことが出来なくなってしまう病気です。

頭痛、めまい、立ちくらみから始まり、習慣的に行っていたことのやり方を突然忘れてしまったり、いつも歩いている道を忘れてしまったり…それから、新しいことを全く覚えられなくなってしまったり、という病気です。
佐伯はまだ50歳くらいの年齢なので、「若年性アルツハイマー」と診断が下されますが、アルツハイマーは若年性の場合、進行が早いとも言われている病気です。

映画の前半は、佐伯自身が自分の病気を受け止め、病気の症状、仕事を辞めるまでが描かれ、後半では自宅での治療の様子、奥さんによる介護などが描かれています。
どのシーンも見ていて辛いですが、やっぱり「デキる営業」として業績を積み会社を支えていた佐伯が、どんどん会社で業務を外され、失意に暮れながらも必死に受け止めるシーンと、ずっと支えてくれた奥さんのことすら思い出せなくなってしまう終盤のシーンが胸に重く来てしまいました。

どんどんできないことが増えていくのは「病気だから仕方ない」って割り切れても、その病気になったのがどうして自分なのかはどうしても理不尽に思えてしまうし、定年を迎える前に仕事を辞めて急激に老け込む佐伯を見ると、もし自分だったら現実を受け止められるだろうかと考えてしまいました。

さらに佐伯が仕事を辞めてからは、代わりに働きに出ながら介護を続ける奥さんのやるせなさや辛さも描かれており、どうしようもない心情に胸が苦しくなるばかりでした。
現在でも、アルツハイマーに関する効果的な治療法などは見つかっておらず、薬などで症状を遅らせたりする措置で手一杯という状況です。

誰に起こってもおかしくない病気の理不尽さを描きながら、それでも闘病に生きる佐伯とその奥さんの生き方には、学べる何かがあると思いますので、未視聴の方はぜひ一度観てみてください。

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